先月、私の人生を劇的に変えて下さった大恩ある先生ご夫妻に、お元気伺いのお電話を差し上げた。先生は、時々持病が出て体調を崩されることが多くなってきておられ、年齢的なこともあり、「もう何時さよならするか分からないからね」などとよく冗談交じりにおっしゃるようになった。
その電話の日も、お元気ではいらっしゃったがちょうど少し持病が出ておられて、「もう先が無いよ」などとおっしゃり、会いたいからご飯食べしようとお誘い頂いた。
「明後日の夜はどうね?」と尋ねられ、一瞬私は戸惑った。と言うのも、その日の夜はお風呂介助が予定に入っていたからだ。明々後日はダメですか?と尋ねようかと思ったが、縁起でもないけれど先生のいつもの冗談めかした言葉が頭をよぎり、お風呂よりこちらが大事!と、予定を変更し、食事に行く約束をした。先生ご夫妻に隣り町から来て頂くのは大変申し訳ないし心配なので、私が出向くことにして、先生のお宅からほど近いお店で待ち合わせとなり、以前から、食事しようと話していたことがようやく実現できた。
当日は、美味しい食事を頂きながら、昔話に花が咲き、楽しく幸せな時間を過ごすことができた。
ということを、ここで単に報告したいわけではない。
私は長い間入院生活を送っていた。病院では、急な外出などできるわけはなく、誰かと会ったり出かけるのも、相手が会いに来てくれ、連れて行ってくれたりするしかなかった。
ところが、今は、急にご飯食べ行こうと誘われても、たとえ予定があっても自分が行きたければ予定変更ですぐに出かけられる、会いたい人に自ら会いに行くことができる。こうして、大切な人達と一緒に過ごす大切な時間をつくり出せるのは、介助者に支えられた自立生活だからこそ。
いや、自立生活でなければ、この自分の意思決定による何気ない日常生活を送ることはできない。
この自立生活を手に入れるまでの道筋を共につくって下さった先生ご夫妻、次は私がお誘いしよう。